Gallianoというグループ: UKソウル・レジェンド001 ジャイルズ・ピーターソンが立ち上げた”Talking Loud”(トーキング・ラウド)とガリアーノの話
- 2017/10/16
- 05:33
今回はうんちくをたれつつ、
ガリアーノ(Galliano)というイギリスのグループの話をしようと思います。
宜しければお付き合い下さい。
このブログでも度々登場するソウル・レジェンドのジャイルズ・ピーターソン氏は、
80年代後半から90年代にかけて、
アシッドジャズムーブメントを開拓した当事者の1人ですが、
"Talking Loud, Say Something"というクラブを主催し、
ロンドンのキッズ向けにジャズで踊らせるという試みをして、
後にロンドンからイギリス全土に至るまで、
そして、日本でも90年代に入ってから、
クラブ・ジャズムーブメントは波紋を広げてきます。
ちなみに”Talking Loud, Say Something”というフレーズは
70年代のソウルの帝王ジェームズ・ブラウンの言葉だそうです。
このブログの初回でも、
自分が最近気になるアーティストとしては、
やっぱりジャイルズ・ピーターソン(GILLES PETERSON)氏で、
今でも代わりはありません。
いまだいくつかの音楽シーンを盛り立てる立役者なわけで、
過去、ジャイルズ・ピーターソン氏は、
そのクラブ・ジャズ・ムーブメントの動きをレコードあるいはCD、カセットといった
媒体を通して、強いメッセージを世の中に伝えるべく、
"トーキング・ラウド”というレーベルを発足したと思われます。
"トーキング・ラウド"は90年代後半には
CDなどのリリースを辞めてしまったようなのですが、
GILLES PETERSONの名は年々知名度が増すかのような勢いで、
今のクラブミュージックシーンでも数々のアーティストを
世に打ち出してくれているわけです。
その作品群に関してはぼちぼちと触れていきたいと思っているのですが、
中でもガリアーノの存在は、トーキン・ラウドとは切っても切り離せない関係にあったのです。
ジャズ、ヒップホップ、クラブミュージックは当時、
クロスオーバーしていて、
ガリアーノはロブ・ガリアーノ(ロブ・ギャラガー)という詩人、ヴォーカリストを中心として
始動したグループなのですが、
今、40代から50代の方で、
「知ってる」という方も結構おられるのでは?
少なくともJ-WAVEなどの洋楽をばりばり流しているラジオを聴いていれば
聞いたことがあるなという内容では?
あるいは"サチモス"は格好いいなと思う若い人達。
ジャミイロクアイは知ってるけど、
なんか、そういった曲調のアルバムもうちょっと知りたいなという人達。
ガリアーノ(Galliano)は共通点も多いし、入りやすいと思います。
ガリアーノ(Galliano) は"トーキング・ラウド"の前身ともいえる少しまえにこのブログの記事で触れた”トータリーワイヤード”でも
第一集目の最後のトラックに曲を提供してますし、
しばしば、”トータリー・ワイヤード”やアシッドジャズのアルバムにも登場しています。
トータリーワイヤード関連記事へ
そんなわけで、ガリアーノは、かなり古くからアシッドジャズ関連バンドとして君臨していました。
今の日本の世の中を考えると、
当時のイギリスでの失業率は10%、つまり仲間が10人集まれば
1人は失業しているといった大不況でしたから、
考えてみると、やはりどの国でもおなじなんですね~。
そういう時代はあるんです。
よくよく元を正すと、当時首相を務めていらしたサッチャー氏に対する
「懸念」はイギリスの庶民の間では相当なものでしたし、
感覚的には今の日本と似ているのではないかと...。
話は逸れましたが、ガリアーノは曲調もさるものながら、
“トーキング・ラウド”から発売された”A Joyful Noise Unto The Creator”
というアルバムに収録される、
「スカンク・ファンク」という歌詞などは、
まさしく、アナーキーというかアンチ的な内容となっていて、
「プリンス・オブ・ピース」は美しいメロディーに
反戦の内容の歌詞が乗っかっています。
「プリンス・オブ・ピース」の歌詞では、たとえば、こんなフレーズがあります。
「憎しみ、沈黙、騒音、暴力
ミサイルを誘導するよりも別な道を探すんだ
平和こそ俺たちが生き残る道
選ぶのは今! 生きているうちに
指導者達にも答えはない、
彼らも同じくらい混乱している…。」
(対訳:志麿 真実氏)
これが、ガリアーノを代表するジャズ・ファンクや
社会に訴えかけるメッセージであり、その本質と向き合った内容なんですね。
実は、ガリアーノのアルバムは
今から20年程前に、英国のシェフィールドに留学していたとき、
街の中心から少し逸れたところに”Warp”という小さなレコード屋さんがあったのですが、
“In Pursuit of the 13th note”というアルバムを店の(当時の)お兄さんに
視聴させてもらい、購入しました。
なにかこう、冒頭から舟に乗って揺られたような感じに好感をもったのです。
それからクラブに出入りしたり、
学生のユニオンでもよくダンスパーティーはやっていたので、
流れる曲がやはりアシッドジャズとか時にはアヴェレージ・ホワイト・バンド (AWB)や
イギリスで育ったといわれるハウス・ミュージックやダンスクラシックスといった曲が
クロスオーバーして流れていて、
これからのミュージックシーンは一層面白くなるなと言う匂いぷんぷんさせてました。
ちなみに、”Warp”レコードではトータリーワイヤードも6集目くらいから
コツコツと買いそろえて、
帰国してからはもっぱらCDで購入し続けました。
後で、知ったことなのですが、
“Warp”レコードって実は老舗のテクノ・レーベルだったんですね(笑)。
テクノ好きな人は知ってるレーベルの販売の実店舗で
あまりというか、ほとんどつながりのない、アシッドジャズのレコードを買ってたというわけです。
考えてみるとシェフィールドは、昔は産業革命があったリバプール、マンチェスターとも関係が深い
工業都市だったので、
無機質な音楽が育ちやすい土壌だったとも言えますが、
正直、自然は多い所でした。田舎でしたし。
ガリアーノに関しては、国際色豊かで、
パーカッショニストは、その後、音楽的には大きく脚光を浴びていく、
アフリカとカリビアンの血を引くクリスピン・ロビンソン。
ケルトの血も引いているということなので、
まあ、一般的なイギリス人が言うところの攻撃的なゲルマン民族とは対極的なケルト出身。
あと、もう1人が西インド諸島で育ったというコンスタンティン。
個性的なグループです。
日本もいま、なんか混乱しているのですが、
当時のイギリスでは湾岸戦争、ネオナチ(人種差別団体)、爆弾テロ、
深刻な失業問題などなど、
それに比べれば、今の日本は混乱しているとはいえ、まだまだ頑張れますよ。
というわけで、今回はイギリスの90年代。
音楽を通して平和を訴えたガリアーノ(Galliano)と"トーキング・ラウド"の話でした。
CDと音楽ダウンロードのリンクも幾つか貼っておきますので、
興味のある方は、チェックしてみてください!!
“In Pursuit of the 13th note”
Amazonでチェックする
”A Joyful Noise Unto The Creator”
Amazonでチェックする。
楽天でチェックする
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